ASD・ADHDの特徴 〜私の強みは?

発達グレーと向き合う
①ASDとADHD──両方の傾向がある自分

ASD(自閉スペクトラム症)は、こだわりが強い、空気を読む能力が乏しい、不器用である、といった特徴があるとされている。一方で興味があることへの集中力が非常に高いという点もよく挙げられる。

ADHD(注意欠如・多動症)は、注意力が散漫、多動性、衝動性、落ち着きのなさなどが主な特徴とされる。

私自身を振り返ると、やはりどちらの傾向も持ち合わせていると感じている。
これまでも職場またそれ以外の場面でも、これら二つの特性にまつわる指摘を受けたことが多い。
確かに、私にはASD的な部分も、ADHD的な部分も両方あると思う。

②興味のあることには圧倒的な集中力を発揮する

私の性格として、興味のある分野についてはとことん突き詰める傾向がある。
自分でも興味のあることならば、ある程度の実力レベルまでは到達できるという自信がある。

一方で、関心の持てない分野については、まったくやる気が湧かず、行動にすら移すことができない。苦手な庶務業務が良い例である。

これまではASD・ADHDによる「困りごと」ばかりが頭に浮かんでいたが、この「興味あることには集中し、やり抜く力」は私の強みなのではないかと、最近になってようやく認識し始めている。

③思いつきの行動──短所であり、また長所でもある

私には「思いついたら即行動してしまう」という癖がある。職場では、相談もせずに思いつきで動いたことで注意を受けたこともある。しかし見方を変えれば、それは「行動力」とも言えるのではないかと思っている。

世の中には「考えてばかりで行動に移せない人」も多い中、まず一歩を踏み出す勇気があるというのは、一つの武器になりうると感じている。

④日本型企業と発達特性の相性の悪さ

私が勤める電力会社のような純日本型の組織では、空気を読む能力、慎重さ、失敗しないことなどが重視されている印象がある。
その中で、ASDやADHDの特性はマイナス評価へつながりやすいと思う。
これは私にとって非常に不利な環境であると感じることが多々ある。

⑤環境によって「強み」は活きる

しかし、逆に考えれば、「高い集中力」や「やると決めたら突き進む力」「即行動する力」などは、環境次第では大きな強みとなると思う。

この歳になると「できないこと」を無理に克服しようとするよりも、「得意なこと」に注力できる場があれば、もっと楽に楽しく生きられるのではないかと感じてしまう。

⑥就職氷河期世代としての思い

私は就職氷河期に社会に出た世代である。そんな時代に安定企業である電力会社に就職できたことは、確かに幸運だったと思うし、採用してもらえたことには感謝している。

しかし、もし10年後に生まれていたら、採用環境も厳しくなく、ASD・ADHDの特性も理解されつつある時代に就職活動ができたのではないか、そしてより自分の特性が活かせる職場に就職できていたのではないかと、ふと思ってしまう。

⑦「置かれた場所で咲きなさい」の違和感

「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がある。しかしASD・ADHDの特性を持つ人間にとっては、この言葉は酷でしかないと思う。もちろん、環境のせいにばかりしていては成長ができないという意見も理解している。

だが、どうしてもできないこと、極端に苦手なことは存在するし、それを無理に克服しようとすることは相当な苦痛を伴う。
であるならば、自分の長所や強みを活かせる環境を自ら探していく方が、はるかに楽であり現実的であると思う。

⑧強みが活かされる職場なら、自己肯定感は高まる

仕事をしていて私が喜びを感じるのは、自分の得意なことが活かされたときである。残念ながら、今の会社でそのような機会は数えるほどしかなかった。

自己肯定感は、「自分は役に立っている」という実感があってこそ育まれる。強みを認めてもらえる環境に身を置ければ、それだけで楽しいし、救われることもあるのではないかと思う。

⑨40代後半という年齢、そして再び思う「もしも」

転職市場は以前より活発になってきた。しかし私はすでに40代後半。現実として、転職は容易ではないと考えている。

やはり、「もう10年遅く生まれていれば」と思ってしまう。

ASDやADHDの特性というのは「得意と不得意の差が極端にある」」ということでもあると思う。

苦手を無理に克服するのではなく、自分の強みが活きる場所を見つけ出し、その場に身を置くことができれば、自分らしく働くことができるのではないかと思ってしまう。

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