今回は、自身の発達傾向を確認するために受けた「AQ(自閉症スペクトラム指数)テスト」と「WAIS(知能検査)」について、体験記として記録しておきたい。受検から時間が経っているため記憶があいまいな部分もあるが、備忘録も兼ねてまとめておく。
AQテスト(自閉症スペクトラム指数)の体験
検査の概要
AQテストは約2年前に受けた。これが最初に実施された検査であり、所要時間はおおむね30分程度だったと記憶している。検査内容は、日常生活での行動パターンや、過去の出来事に対する自分の反応などに関する質問に答える形式である。回答は確か5段階評価の選択で、たとえば「該当する=5」から「まったく該当しない=1」までを選択していく。
全体としては、心理テストのような印象であった。
面談と描画課題
筆記検査の後には、心理士との面談が行われた。面談中には、「木の絵」を描くよう求められた記憶がある。これも検査の一部なのであろう。
検査結果
詳細な満点の基準は失念したが、手元のメモによると結果は以下の通りであった。
- AQ:43点
- ASD指標:66点
心理士の所見では、「自閉症の傾向あり」「社会的スキルやコミュニケーション、共感性の分野で困難が見られる」と記されていた。一般的に見て、この点数はかなり高めの数値であり、傾向として強く表れているとのことであった。
WAIS検査(知能検査)の体験
検査の所要時間と環境
WAISは本格的な知能検査であり、2回に分けて実施された。合計でおよそ3時間ほどかかったと思う。検査は静かな防音室で行われ、外部の音を遮断した環境で集中できるよう配慮されていた。
実施された主な検査内容
記憶を頼りに、印象に残っている検査項目を列挙する。
- 積み木模写課題
図面の通りに赤白の2色トーンの積み木を並べる。最初は簡単だが図形が進むにつれて複雑さと積み木の数が増す。 - 言語的な共通点を探す課題
連想ゲームに似ており、例として「偉人」と「著名人」の共通点を答えるといった形式。 - 数字の記憶と逆唱
心理士が読み上げた数字をそのまま復唱、あるいは逆の順に言う。 - 図形の法則推理
並んだ図形から規則性を読み取り、次に来るべき図形を推定する。 - 視覚的な照合課題
5つの記号の中から、同じものを2つ探す。これは非常に苦手で、時間内に最後まで終わらせることがでいなかった。 - 暗算による算数の文章問題
心理士が口頭で問題を出し、メモを取らずに頭の中だけで考えて回答する形式。 - 語彙の理解課題
心理士に提示された単語について説明する。後半になるにつれ難易度が上がり「忖度」「厚顔無恥」などの難しい言葉の意味を口頭で説明するよう求められる。
この他にもいくつかの課題があったと思うが、ここでは特に印象に残っているものを挙げた。総じて、知能全般を多角的に測定するための構成となっていた。
結果と所見
WAISでは、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」の4つの大分類があり、それぞれ100点を平均とした偏差値が算出される。さらに、それぞれに下位項目が存在し、個別に「素点」が付けられる。
私の結果は以下の傾向であった:
- 言語理解:平均以上
- 知覚推理:平均以上
- ワーキングメモリ:平均以上
- 処理速度:平均以下
特に「処理速度」がかなり低いことが指摘された。作業のスピードや正確性を求められる課題に対しての苦手さが表れていたようである。
終わってみての所感
WAIS検査は集中力と記憶力が必要とされ、それなりの時間も要するので1回で終わらないのも納得である。終了後は頭が非常に疲れていた。単なる「知能指数」の測定ではなく、得意な分野や苦手な特性を可視化する目的がある検査のようである。
私の場合、処理速度がかなり低いことが分かった。職場での誤字脱字や急いで対応した際に発生するケアレスミスなどがおそらく合致していると理解することができ、腑に落ちた部分もあった。
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