資産5000万円の意味とは
資産5000万円という金額を聞いて、どのように感じるだろうか。リベラルアーツ大学の両学長も「資産5000万円は小金持ち」と表現している。
確かにこの額があれば、かなりの安心感が得られると思う。例えば年間の生活費を400万円と想定すれば12年半、500万円でも10年は働かなくても生活が成り立つことになる。しかも実際には資産運用を継続すれば、この期間はさらに長く伸びる可能性が高い。
資産5000万円は、完全なFIRE(経済的自立)には届かないかもしれないが、十分にセミリタイアやサイドFIREを考えられるレベルである資産額だと言えるだろう。
毎年100万円を積み立てた場合のシミュレーション
仮に毎年100万円をオルカン(全世界株式インデックスファンド)に投資するとしよう。
一括投資ではなく、毎月約8万4千円をコツコツと積み立てる想定である。オルカンの過去の平均年率は6~8%程度とされているため、ここでは平均を取って7%で計算する。
シミュレーションの結果は次の通りである。
- 10年後:約1,450万円
- 15年後:約2,660万円
- 20年後:約4,370万円
- 22年後:約5,240万円
- 25年後:約6,800万円
つまり、22年間積み立てを継続すると資産5000万円を超える計算になる。大学を卒業して22歳で就職した人なら、44歳前後で達成可能な金額である。40代半ばで5000万円の資産を築けたならば、かなり資産的には安心できるのではないだろうか。
もちろん、このシミュレーションは理論上のものであり、現実には市場の上下動や暴落が避けられないだろう。例えば22年後に大きな金融ショックが起これば、5000万円を割り込む可能性もある。しかし逆に、市場が好調に推移すれば、もっと早く5000万円に達成できる可能性もある。
不動産投資や副業で加速させる方法
資産形成の手段は積立投資だけではない。不動産投資や副業を組み合わせれば、5000万円達成はさらに早まる可能性がある。
不動産投資は、都市部の成長エリアで良い物件を購入できれば資産形成に大いに役立つ。ただし、不動産投資の場合は投資額が大きくリスクも大きく、失敗した場合のダメージも甚大なので十分な勉強と準備が必須である。
一方、副業は初期投資が少なく始めやすい。例えばブログやアフィリエイト、YouTubeなどで月5万円を稼げれば、その分を積立投資に追加できる。仮に、先ほどのシミュレーションの条件で毎月約8万4千円にプラスして13万4千円を積み立てると、17年ほどで5000万円に到達する。ただし、月5万円を継続して稼ぐには相応の努力と時間が必要である。
係長になるより資産5000万円を作る方が簡単?
少し極端に聞こえるかもしれないが、私にとって「今の職場で係長に昇進するよりも40代で資産5000万円を築く方が簡単」だと感じている。私の職場では大卒ならば係長までは普通に昇進できると言われているが、恥ずかしながら私は大学院卒でありながらいまだに平社員であり、12年昇進が止まっている。私自身、会社員としてのセンスが無いと感じている。
積立投資は一度設定してしまえば、あとは淡々と継続するだけである。最大の失敗要因は、暴落時に恐怖から売却してしまうことだと言われている。つまり、必要なのは「手を動かす能力」よりも「耐える胆力」である。
また不動産投資や副業は、ASD特有の「のめり込む性質」と相性が良いと感じている。興味を持てばとことん追求する力があり、地道な作業も苦にならないタイプは、むしろ副業や投資で成功しやすいのではないかと思う。
発達障害の人こそ資産運用をすべき理由
私はこれからの時代、資産運用はすべての人に必須だと思うが、特に発達障害や発達グレーの人こそ取り組むべきだと考える。
なぜなら、発達障害があると会社組織ではどうしても評価されにくいからである。理解が広がってきたとはいえ、依然として「空気を読む力」や「協調性」が重視される職場では、発達傾向のある人が昇進するのは難しい。
しかし、資産運用は会社組織と無縁であり、一人で完結できる世界である。不動産投資や副業も同じで、人間関係のストレスが少なく、自分の努力次第で成果を出せる。
それどころか、ASDやADHDは特性が長所となり、根気強く継続することで、会社以上に大きな成果を得られる可能性もあるだろう。ある意味、こちらの方が真の意味で成果主義・実力主義であり、発達障害の人の方が結果を出しやすいかもしれないと思う。
起業で成功しているマイクロソフトのビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョブズも発達障害の傾向があると言われている。
まとめ
資産5000万円は、毎年100万円を積立投資するだけでも、20年余りで到達できる現実的な数字であると思う。また不動産投資や副業を組み合わせれば、さらに加速できる。
そして何より、会社で評価されにくい発達障害や発達グレーの人にとって、資産形成は大きな武器になる。昇進を目指すよりも、むしろ資産運用に注力した方が有意義で充実した生活が送れると思う。
資産5000万円は「小金持ち」と呼ばれる額ではあるが、会社組織への依存も下がり、働き方やライフスタイルの選択肢が広がる金額だと思う。
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