①「同期大卒は係長以上、私まだ平社員」 評価されない現実
入社して20年以上が経った。
気づけば、私の同期の多くは係長や課長に昇進している。 私の職場である電力会社は、今もなお年功序列の傾向が強い。よほどの不祥事でもない限り、大卒なら通常は係長までは定期的に昇級すると考えられており、実際に多くの同僚がそうなっている。
しかし、私は大学院卒でありながら、40代後半の今もなお平社員のままだ。12年以上昇級が止まっている。
40代前半までは「たまたま自分の番が遅れているだけだろう」と思っていたが、現実は違った。今では数年後に入社した後輩にも抜かれている。
この記事では、なぜ自分が会社で評価されなかったのかを、発達特性や組織文化も踏まえて本気で自己分析してみたい。
同じように悩んでいる方にとって、何かヒントになれば幸いである。
②職場に合わない特性 -ASD・ADHDグレーゾーンとしての違和感-
私は40代半ばでASD・ADHDグレーゾーンという診断を受けた。もともと「ちょっと変わっている」「マイペースすぎる」と言われることは多かったが、それが発達特性の一種であると分かったのは比較的最近である(診断のきっかけについては別記事で書きたい)。
この特性が会社員としての生活にどう影響するのか。私の場合、以下のような傾向がある:
- 空気を読むのが苦手で、場にそぐわない発言をしてしまう
- マルチタスクや段取りが極端に苦手で、業務の効率が悪い
- 文書の誤字脱字や提出書類のミスが目立つ
- 雑談や飲み会など、非業務的な交流が苦手
- せっかちで、落ち着きがないように見えることもある
さらに、私は吃音の傾向もある。そのため「何を言っているのかわからない」「自信がない」「何か隠しているのか」といった誤解を受けることもあったかもしれない。
こうした小さな“ズレ”の積み重ねが、「頼りない」「協調性がない」という印象につながり、評価や昇進から遠ざかっていったのだろう。
③暗黙のスキルが欠けていた -実力主義だけでは通用しない-
若い頃の私は、「実務の成果さえ出せば、いつか必ず評価される」と信じていた。
しかし、現実はそうではなかった。特に日本の伝統的な組織、特に電力会社のような大企業では、以下のような“暗黙のスキル”が重視される:
- 上司に気に入られるコミュニケーション力
- 会議や飲み会での立ち振る舞い
- 根回しと調整力
- 職場の空気を乱さない配慮や同調性
実際、社内業務でもっとも時間とエネルギーを使うのは「社内調整」であると感じている。これは高度な対人スキルが求められる。
一方で、私はこうしたスキルが極めて苦手だ。評価されている人たちを見ていると、自分には「会社員」としての基本的なセンスが足りないのだと痛感させられる。
④ 頑張った末のあきらめと開き直り
最近は「昇進や評価はもういいや」と思うようになった。
しかし、かつてはそれなりに頑張っていたつもりだ。
20代、30代は深夜までの残業も多く、責任ある業務もこなしていた。40代前半には、他部署から押し付けられたプロジェクトを遂行したこともある。
それでも評価はされなかった。10年以上も昇級が止まると、「もういいや」と思いたくなるのも当然だ。
また、上司や同期を見ていても、ストレスやプレッシャーが大きく、昇進することが必ずしも幸せに見えない。
しかし、ここまで評価されないと、自己肯定感が大きく下がるものだ。「自分は無能。価値がないのではないか?」と思ってしまうこともある。こうなると会社に行くのも嫌になるものだ。
だからこそ、いまは「自分を責めすぎない」「会社での評価がすべてではない」という考え方を大切にしている。
⑤出世できなかった”ではなく、「別ルートで生きる」だけ
私はこれから昇進することも、会社で高く評価されることもないと思っている。
幸い、20代から始めた資産形成が少しずつ実を結び、今はサイドFIREで早期退職(会社卒業)を目指している。(資産運用については別の記事で紹介したい)
「会社に評価されない=失敗」ではない。
人生にはいろんなルートがある。私は、たまたま「出世しないルート」を選んだだけ。
これからは会社員がダメでも自分に合った働き方と生き方を見つけることができたと思っている。
コメント