先日、ニュースサイトでパナソニックが早期退職を募集するという記事を目にした。対象は40歳以上で、最大で退職金が数千万円上乗せされるという内容である。
正直に言えば、素直に羨ましいと感じた。退職金に数千万円の上乗せがあるというのは破格である。記事の内容をみるとおそらく、2000万円以上受け取れる人が多数に上るのではないだろうか。もし私自身がその立場にあれば、迷わず手を挙げると思う。
例えば2000万円を受け取れたと仮定すると、住宅ローンを完済できるし、投資用不動産のローン返済にも充てられる。株式や投資信託といった金融資産をある程度積み立てている人であれば、早期退職を選ばない理由はほとんど無いと思う。ある程度の資産があり、家計の基盤が整っている人にとって、この制度はまさにのチャンスであるように感じる。
応募者は意外と多いのでは?
ニュースのコメント欄を見てみると、悲観的な意見も見られるが、前向きな意見も少なくなかった。意外に応募者は多くなるのではないかと思う。
仮に55歳で退職した場合、65歳から年金を受け取れるとすると、10年間をどう乗り切るかが鍵になる。しかし、2000万円の退職金に加えて失業保険や職業訓練制度を活用すれば、週に3日程度のアルバイトや契約社員として働くだけでも何とかやっていけると思う。年金受給開始までの生活をつなぐだけならば、それほど難しくは無いだろう。
むしろ、会社に未練が無い人、あるいは心身ともに疲れてしまった人にとっては、願ってもない好機である。私自身がパナソニックの社員ならば、間違いなく応募すると思う。
自分の会社でも…?
こうしたニュースを目にすると、「自分の会社でも早期退職を募集してくれないだろうか」と考えてしまう。
しかし私が勤める電力業界は体質がやや公務員的であり、組合の力も強い。そのため、すぐに大規模なリストラや早期退職募集が行われることはないと思う。
ただし、時代は大きく変わっている。これまで公務員並みの安定と言われた電力業界も決して安泰ではなく、再編や事業構造の変化が進んでいる。
今は目立った動きはないが、数年先にはパナソニックのようにリストラを目的とした早期退職を打ち出す会社が出てきてもおかしくないと思う。
本来、組合は雇用の維持を最優先にしてきた。しかし、これからの時代は「雇用を守ること」一辺倒ではなく、リストラが避けられない現実を前提に「条件をどこまで上げて退職させるか」に力を入れても良いのではないかと思う。
例えば今回のように退職金を数千万円上乗せに加え、会社都合扱いとするなど。そうすれば、社員も前向きに新しい人生に踏み出せる。
人手不足と言われる一方で、企業が本当に欲しいのは若い人材であることは明らかだと思う。いくら人手不足と言われても40歳を超えると理想の収入を得られる転職は難しいと思う。そうならば早期退職で多めの退職金をもらい、収入は減るけど自分の好きな仕事を選ぶのも一案だと思う。
私の職場でも、今は早期退職募集の話は全く無い。しかし、これからの変化のスピードを考えれば、数年後には電力業界にも同じ波が押し寄せてくるかもしれない。そのとき、私は手を挙げられるよう準備したいと思う。


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