仕事をすることはなんなのか、あらためて考えてみた。
あらかじめ断るが、ここでいう仕事とは、物理学の仕事(物体に力を加えて動かすアレ)ではなく、いわゆる働くという意味の仕事である。
会社員の場合、仕事といえば「会社で働くこと」を指す人がほとんどだと思う。
そしてその「会社」という言葉も勤め先そのものを意味している。
つまり、多くの会社員にとって仕事に行く=会社に行く、という認識なのだ。
日曜の夜にため息をつきながら「明日から会社かぁ」とつぶやくあれは、言い換えれば「明日から仕事かぁ」である。
私自身も、例にもれず、ある時期までは無意識のうちに仕事=会社というイメージを持っていたと思う。
なぜ「仕事=会社」と認識してしまうのか
私は昭和50年代の生まれであり、親も勤め人だった。
幼い頃の記憶を振り返ると、親も「会社に行く」と「仕事に行く」を完全に同義として使っていたと思う。
この時代の日本の働く世代の多くは会社員だったと思う。
同年代の友人たちも、ほぼ全員が「大人=会社員」という認識を持っていたであろう。
そしてお金を稼ぐとは、会社で働くことだ。
親を見て、自然とその考えが刷り込まれていったのだと思う。
そして社会に出るまで、お金を稼ぐこととは「会社員」か「公務員」になることだと疑いなく信じていた。
起業や独立は特別な才能の持ち主だけが歩む道だという感覚だった。おそらく同年代人たちは同じような感覚を持っていたのではないだろうか。
つまり、会社員として働くことがあまりにも当たり前すぎたのだ。「会社で働いて給料を得る」ことこそが「仕事をする」ことだという固定観念が強固に存在していたのである。
逆に、会社と関わらない活動は、たとえお金が発生しても仕事ではないと考えていたと思う。趣味の延長、道楽の延長、そんな風に考えていたと思う。
仕事とは何かを考えるようになったきっかけ
私は10年以上、小規模の不動産投資を行っている。
小規模すぎて他人から見れば「投資が趣味」というレベルに見えるかもしれない。しかし、ある出来事がきっかけで「これは仕事ではないか?」と意識するようになった。
ひとつ目は、不動産管理会社の担当者と食事をした時のことだ。食事後に銀行へ向かう予定があり、その担当者から「金太郎さん、これからまた仕事ですよね。銀行との相談ですか?頑張ってください」と言われた。
私はその瞬間、ハッとした。会社(勤め先)を休んで不動産の用件をこなしていたので、完全に「会社と無関係=私用」と思い込んでいた。
しかし、冷静に考えれば不動産投資は事業であり、立派な仕事なのだ。
それなのに、私は会社以外の活動であったため無意識に「私用であり仕事ではない」と認識していたのだ。
そしてもうひとつは、確定申告で税理士と話した時のことだ。私が冗談で「まるで漫画に出てくる中小企業の社長みたいですね」と言ったところ、税理士から「金太郎さんのやっていることは規模は小さいですが、内容は普通の事業と変わりませんよ。立派な個人事業です」と返ってきた。
その言葉を聞いて、会社の仕事ではないが、私がやっていることも仕事であることを、ようやく自覚できたのである。
振り返ると、これまでの私は完全に「会社の仕事だけが仕事」という価値観に支配されていた。会社以外は趣味、道楽、私用。そう無意識に決めつけていた。これはかなり恐ろしい思い込みだと思う。
おそらく日本企業でよく語られる「愛社精神」や「会社は家族」などの価値観が、知らず知らずのうちに私たちに「仕事=会社」を刷り込んでいたのだろう。社畜という言葉が生まれるのも納得である。
投資も副業も簡単ではなく、立派な仕事である
あらためて考えてみると、投資や副業で稼ぐことは簡単ではない。
たとえば、株で月3万円の配当を得るにはどれだけの資金が必要か。これだけの配当をもらうにはかなりの資金を貯め、それなりの株を持つ必要がある。その資金を貯めるには、相当な覚悟と継続力が求められる。
副業で月数万円稼ぐのも大変だ。始めたばかりで成果が出る人などほとんどいない。初めて収入になるまで数年かかるかもしれない。その数年間を続けられる人がどれだけいるだろうか。
不動産投資も同様である。最初の1軒を購入するまでには、頭金を貯め、物件を探し、決断し、契約するという膨大な手間と勇気が必要である。
こうしてみると、投資や副業は「趣味」や「道楽」ではなく、明らかに仕事であると思う。
そして、それくらいの覚悟がないと続かないし、収益も得られない。
こう考えると投資も副業も仕事である以上、会社の仕事と同等のエネルギーを注ぐ必要があるのだ。
私は今後も、投資も副業も「仕事」と呼べるレベルで継続していきたいと思う。会社の仕事だけが仕事ではない。稼ぐ方法はひとつではなく、自分で選び、積み上げていく働き方もまた立派な仕事である。
仕事とは何なのか。これは単なる「会社に行くこと」ではなく、自分の意志で価値を作り出し、収入につなげる行為そのものなのだと、最近になってようやく実感している。

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